墨塗りおよびドキュメント要素の削除について

墨塗りは、Power PDF の Advanced バージョンで、[セキュリティ] リボンから使用できます。

墨塗りとは、機密情報のテキストや画像を黒く塗りつぶして PDF ファイルから消去することです。要素の削除 (同様に [セキュリティ] リボンからアクセスする) は、非表示または背景の情報を削除するための機能です。

このような情報が漏洩すると法的責任を問われる事態になりかねないため、通常は、一般公開に先立ってドキュメントの内容を墨塗りします。PDF 形式は複雑なため、直接表示される内容以外の情報も含まれている可能性があります。このよう場合、悪意はなくても機密情報の漏洩につながるおそれがあります。

概念として重要なのは、削除と墨塗りはまったく同じではない点です。[削除] コマンドで PDF から削除した情報は、実際は完全にドキュメントから消去されるわけではなく、ほぼいつでも復元可能です。

 

墨塗りの特徴

墨塗りを使用すると、リリースする PDF ドキュメントから不要な情報を削除できます。通常、墨塗りは、まず、削除する項目を選択してマークを付け、再確認してから墨塗りを適用するという 2 ステップのプロセスです。マークを付けたテキストと墨塗りしたテキストの外観については、「内容の墨塗り」を参照してください。墨塗りツールを使うと、以下を実行することができます。

ドキュメントの検査 (ドキュメント要素の削除) の特徴

墨塗りとドキュメントの確定

一般配布用ドキュメントを準備する場合、PDF ファイルの確定という方法もあります。確定では、指定したタイプのレイヤー、注釈、またはマークアップをドキュメントから削除したり、それらをドキュメント オブジェクトに変換して [注釈] パネルに表示されないようにしたりすることができます。[墨塗り] は確定手段の 1 つです。この場合、ドキュメントは以下のような状態になります。

 

検索による墨塗り

墨塗りと検索機能を組み合わせることができます。使用可能な機能を以下に示します。

検索して墨塗り:見つかった項目に墨塗り対象としてマークを付けます。「テキストの検索および墨塗り」を参照してください。このコマンドは [ドキュメント] メニューから選択します。

スキャンとマークアップ:見つかった項目をハイライトするか、打ち消し線を引くか、下線を引くか、または墨塗り対象としてマークを付けます。どのように処理するかはユーザーが選択できます。このコマンドは [スキャン] メニューから選択します。「スキャナーからの PDF ファイルの作成」を参照してください。

 

パッケージとポートフォリオも検索して墨塗りできます。PDF ファイルしか含まれていないパッケージはこの方法で墨塗りできますが、パッケージ ファイルが含まれるパッケージは正常に墨塗りできない場合があります。ポートフォリオに墨塗りを適用した場合、墨塗りされるのはポートフォリオ内の PDF ファイルだけです。一般的に、ファイルを墨塗りする場合は、まずファイルのパッケージ化を解除した方が安全です。こうすることで、選択しながら墨塗りできるようになり、結果を調べるのも簡単になります。