この機能では、ドキュメントを配布する際に残しておく必要のない、非表示の内容や、外観にあまり影響しない内容 (しおり、注釈、添付ファイル、メタデータなど) を削除できます。元の状態を保持する必要がある場合には、元のドキュメントをコピーし、それに対して検査と変更を実行するか、または [名前を付けて保存] を使用してコピーを保存する必要があります。
PDF ドキュメントを検査するには
[セキュリティ] > [セキュリティ] > [要素の削除] を選択します。
ドキュメントを閉じた場合またはドキュメントをメールに添付した場合に、常にこのダイアログ ボックスが表示されるように指定することもできます。これは、[ファイル] > [オプション] > [ドキュメント] で指定できます。デフォルトでは、これらの選択肢は無効になっています。
[ドキュメント要素の削除] ダイアログ ボックスで、現在の PDF ドキュメント内で見つかった機密または非表示のコンテンツのカテゴリが、アクティブな選択済みのチェックマークで示されます。保持する内容について、チェック ボックスをオフにします。カテゴリは、以下のとおりです。
しおり
しおりとは、PDF ドキュメントの特定のページを参照するリンクです。PDF ドキュメントに含まれるすべてのしおりは、[しおり] パネルで確認できます。通常、しおりはドキュメント構造を示しますが、機密の語句が含まれていることもあります。
注釈
注釈は、通常は作者またはレビューアの意見を示す、テキスト マークアップです。[注釈] パネルでは、すべての注釈を確認できます ([表示] バーの左にあるツールをクリック)。注釈には、ノート、マークアップ、描画オブジェクトが含まれます。また、ファイルおよびサウンドの添付ファイルも含まれます。[添付ファイル] パネルから追加した添付ファイルは、このカテゴリを選択しても削除されません。
文書添付ファイル
ドキュメント レベルの添付ファイルとは、参照データまたは関連データとして PDF ドキュメントに追加されるファイル (PDF 形式またはその他の形式) のことです。[添付ファイル] パネルでは、すべての添付ファイルを確認できます ([表示] バーの左にあるツールをクリック)。注釈として追加された添付ファイルは、このカテゴリを選択しても削除されません。
削除した内容
削除部分 (ページ、テキスト、イメージ、トリミングした項目) は、非表示になっているだけで、実際には PDF から削除されていないことがあります。興味本位の閲覧者が、これらを復元してしまうこともあります。
デスティネーション
PDF ファイルにアイコンを配置し、それを外部ファイルにリンクすることができます。このアイコンをクリックすると、対象のファイルが開きます。ディスティネーションは、[ディスティネーション] パネル ([パネル] バーの [ディスティネーション] ツールをクリック) で確認できます。通常、配布された PDF では、デスティネーション ファイルは開きません。
埋め込みサムネイル
サムネイルとは、PDF ページの縮小図のことであり、多くの場合 PDF ドキュメントに埋め込まれています。ページのサムネイルは、[ページ] パネル ([パネル] バーの [ページ] ツールをクリック) で確認できます。
フォーム フィールドとアクション
PDF ドキュメントのフォーム フィールドは、対話機能を含む動的コントロールです。この項目を削除すると、すべてのフォーム フィールドが確定され、編集や記入、署名などができなくなります。フォーム フィールドは、[フォーム コントロール] パネル ([パネル] バーの [フォーム コントロール] ツールをクリック) で確認できます。
すべての JavaScript
JavaScript は、特定の条件でコマンドやアクションを実行するアクティブ コンポーネントです。この項目を削除すると、すべての JavaScripts が無効になります。
リンク
リンクは、特定のターゲットまたはアクションに結び付けられます。この項目を削除すると、リンク テキストまたはオブジェクトはそのまま残りますが、PDF にはリンクは含まれません。
メタデータ
メタデータには、作者、サブジェクト、キーワード、日付、著作権情報など、PDF ドキュメントに関する情報が含まれます。メタデータは、PDF 検索ユーティリティで検索できます。[ファイル] > [情報] でドキュメントの PDF メタデータを参照できます。[プロパティ] をクリックした場合は、[ドキュメント プロパティ] ダイアログ ボックスでメタデータを参照できます。
埋め込まれた非表示データ
この項目では、メタデータ以外の内部データを削除します。この内部データは通常は表示されませんが、PDF ツールを使用すると参照できます。この項目では、埋め込みインデックスが削除されます。埋め込みインデックスには、墨塗りされた部分のテキストが含まれている可能性があります。
アクティブな要素をすべて選択するか、選択内容をすべて削除する場合は、[すべてを選択] をクリックします。
[削除] をクリックして、選択した項目の内容を削除します。
[ファイル] > [保存] を選択して、変更した PDF ドキュメントを保存します。元の PDF ドキュメントを保持する必要がある場合には、[名前を付けて保存] を選択して、新しいファイル名を入力します。
注
ファイルを保存すると、選択したすべての項目が PDF ドキュメントから完全に削除されます。PDF ドキュメントを保存しないで閉じると、すべての操作が取り消され、上記の手順を再度実行することになります。
通常、ドキュメント要素の削除は墨塗りと併せて実行します。黒塗りは、Power PDF Advanced で提供されている機能です。墨塗りを実行すると、ドキュメントを検査するように促されます。ドキュメントを墨塗りしても、既に埋め込まれているインデックスの内部の内容を墨塗りすることにはなりません。ドキュメントのセキュリティを確保するために、埋め込まれた非表示データの削除を選択して、このインデックスを削除する必要があります。ドキュメントを墨塗りした後で、そのドキュメントに再度インデックスを付けることができます。この場合、削除したテキストが新しいインデックスに含まれることはありません。
ドキュメント要素の削除は、ドキュメントの確定と似ています。ドキュメントの確定では、選択した注釈の種類を削除するか、またはそれらをドキュメント オブジェクトに変換します。